今回はスペイン語に限らず英語・ドイツ語・フランス語、中国語にスワヒリ語…どんな言語学習者さんにも目からウロコ、下からウ◯コ(意味はない)なワザを伝授しようと思う。
「どうぞよろしく」「めんどくさい」「失礼します」などなど…そんな日本語特有の言い回し。 これ◯◯語で何て言うの!? |
この状況、語学をやってたら一度や二度や百度や千度くらいあるよね。
「いや、一度もないね」という人はココから先は読まなくてよい。貴重な時間と頭脳をこんなイイカゲンなサイトで浪費するより世界平和のために使ってほしい。どうぞよろしく。
そこで、ここから先は
- 一度や二度くらいはトーゼンある。
- 解決する方法があるなら知りたい。
- 貴重な時間と頭脳だけど、まあ少しくらいならここで浪費してもいいか。
以上の3条件をすべて満たしたアナタへ贈ろう。
これを読み終わった時、アナタはこうした面倒くさい言い回しどころか、なんか言語そのものが「なんだ、以外と簡単じゃん」と気持ちが軽くなってくれたら
よっしゃーーー!
である。(最終更新2017/5/26)
日本語独特の言い回しで迷わない三方法
まずはじめに知っておくべきこと
そう。最初に言っておくが。
日本語独自の言い回しだってことは。
ドンピシャの◯◯語なんてない!
もしかしたら言語によってはあるかもだけど、あえて言い切る!
なんだよ。話が違うじゃん。
その言い回しを教えてくれるんじゃないのかよ!
まあ、もうちょっと待ってくれ。
最終的にはちゃんとそっちへも話はいくから。
ともかくね。ドンピシャはない。ここが原点。
そう思えば、「何て言うの?」「アレかな?コレかな?知らないだけかな?」…無駄に焦ってストレスになることもない。
では、次にそこをどう乗り切るか。
その方法が次の3パターンとなる。
|
・・・まあ、怒らないで。
もうちょっとつきあって。それぞれを見てみてよ。
方法1. 日本語のまま言う
この偉大なる先輩は「もったいない」である。
環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞したケニア出身の環境保護活動家、ワンガリ・マータイさんが世界語として「MOTTAINAI」を広めてくれた。で、そもそも何故そうなったのか、というと
「もったいない」に感銘を受けた後、この意思と概念を世界中に広めるため他の言語で該当するような言葉を探したが、
- 「もったいない」のように、自然や物に対する敬意、愛などの意思(リスペクト)が込められているような言葉が他に見つからなかった。
- 消費削減(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)、尊敬(リスペクト)の概念を一語で表せる言葉も見つからなかった。
もったいない - Wikipedia 強調;ブログ主
ほらね。「もったいない」は他の言語では一語で言えないってさ!
でね。他のことばも実は皆同じなのだ。
詳しくは後の3.で紹介するけど、
どうぞよろしく=仲良くしてね+いろいろ教えてね
めんどくさい=仕事が猥雑+やる気がしない
みたいに、これらは複数の要素が詰まって一つの言葉になってるわけ。だ・か・ら便利なの。日本人にとって。…でも、だったらよ?
じゃあ外国の人にも便利なんじゃん?
ll
てことで、そのまま使ってもらいましょう!
最初にちょっと説明してあげればいいのだ。
(この説明の仕方も後の3.を参考にしてね)
短いから相手も覚えやすい。楽しんでくれる。草の根文化交流!で、自分もラク(ココ大事)。イイこと尽くめ!
たとえばメキシコに浸透している日本語は「スシ」「カラオケ」「ツナミ」「スリミ(偽のカニかま)」など名詞が多いけど、よし、次にねらうは「ヨロシク」だ!
はい、次!
方法2.そもそも言わない
これを三段論法で説明するとこうなる。
1)例えばスペイン語で話している。 |
もっとカッコつけて言えば、スペイン語脳になれば言おうと思わなくなる=言い換える必要もなくなる、ってこと。
具体的にみてみよう。
例えば自己紹介の最後に「どうぞよろしく」といいたい。そう思ってるキミは日本語脳で考えてる。
そこで同じような意味のスペイン語を探すと、
A sus órdenes.
なんてセンテンスが辞書に出てくる。
(初対面の挨拶.名乗ってから)「どうぞよろしく」(電子辞書SHARP edictionary PW-C08)
おい!ちゃんとガチの言い回しがあるじゃん!
…いやいや、喜ぶのはまだ早い。
実際は・・・まず言わないね。
聞くのはビジネス(あと戦争映画の軍隊)の場面くらい。あと高級店の店員さんからとか?「なんなりとご用命ください」って場面がほとんどだ。
だけど、辞書に書いてあるし。なんか言わないと尻切れとんぼで気持ち悪いから…言っとけ。
a sus órdenes!
↓
- 自分は気持ちをまっすぐ伝えたつもり。
- 相手は面食らう(なんか…ヘンなの)
せっかく言ったのに伝わらないって…倍悲しい。
じゃあこういう場面で現地の人はどう言うの?
スペイン語なら
encantado/a de conocerle.(話し手が女性の時a)
英語なら
I'm very glad to meet you.
どちらも「知り合えて嬉しい」って意味だが、だいたいこの文で締める。だから意味は若干ズレても使い方は日本の「どうぞよろしく」と同じなんだ。
それを証拠に Japanese For Young People っていう外国人向け日本語の教科書には、ほれ!
その上バードくんの=yourだよ?どーよ、このアバウトさ!
さて、アナタの学習言語ではなんて言うんだろう。ともかく郷にいっては郷に従っちゃう。一語一語きちんと訳さないでその言語での慣習を学ぶ方に力を注ぐ。
結局はこっちが楽チン&正しい方法だと思うな。
では、最後!
方法3.二文に分解して言う
さて。ここまで見てきたとおり
- 一文では必要充分な外国語にできない
- 無理矢理すると逆に誤解を招くかも
とは言うものの…それでも言いたいのよ!
その国の慣習なんて、まだわかんないし!
なんて言うのよ!いいから教えてよっ!
お待たせしました。お答えしよう。
ってかもうこの章の題で言ってるし。そう。
一文で言えないなら二文(またはそれ以上)にしちゃばいいじゃない!
(パンがないならお菓子を食べればいいじゃない)
これだけである。
二文にするときのコツ
日本語独特の言い回しは複数の要素が含まれていると先に述べたが、具体的には
「自分の気持ち」と「相手(人やモノ)への思い・状態」の2つが隠れているので、
それぞれ一つづつを文にすればまあ、だいたい日本語の意味に近いものになる。
なんのこっちゃ。
はい、以下具体例で納得してほしい。
で、それぞれの文は各言語で訳して使ってね(スペイン語は該当記事へのリンクあり)。
どうぞよろしく
ケース1)
キミは新しい街にきて自己紹介をする。どうぞよろしくと言いたい。
↓
自分はなぜ「よろしく」したい、されたいのか1秒以内で自分に問いかけよう。
◉楽しくやりたい
◉この街のこといろいろ教えてね
◎仲間に入れてね
◎日本のこといろいろ聞いてね
◉は自分の思い、希望。◎は相手側のもの。
仲間に入れてね、ってのも実は自分の希望なんだが、相手が思って動いてナンボのもの。なので「相手」側とする。
さて、◉と◎から一個づつ選んで合体だ。
すると…どうなるか。
- 楽しくやりたいな。仲間に入れてね。
- この街のこといろいろ教えて。で、日本のことも何でも聞いて。
- 楽しくやりたいな。なんでも聞いてね。…
片方だけだと尻切れとんぼだけど、ほら。二つくっつけるとバランスよくない?で、こう言われたら、きっと相手は(社交辞令だとしても)おう!もちろんだ!今度一緒に飲みにいこうぜ!みたいなことを言ってくれるだろう。
これ、意味的にはまんま、
どうぞよろしく。こちらこそ。でしょ!?
はい。以下は要素だけあげるよ。自分で組み合わせたり場合によっては増やしたりしてみてね。
ケース2)
部下に仕事をお願いするときの「どうぞよろしく」
◉助かるよ。
◉ありがとう。
◎忙しいのはわかってるんだが。
◎仕事が丁寧なキミだから。
例)忙しいだろうけど…ありがとう!
※スペイン語「どうぞよろしく」具体例はこちら
(記事の中心部分に一気に飛びます)
頑張って!
※スポーツ観戦などのかけ声は別
◉応援してるよ
◉見てるだけで勇気をもらえるよ
★キミなら出来る!◉◎どっちにも使える
◎あとちょっとじゃないか
◎気をつけて!
例)応援してるよ、キミなら出来る!
※スペイン語の具体例はこちら
(記事の中心部分に一気に飛びます)
めんどくさい
◉ああいやだ
◉ムカつく
◉やる気がしない
◎仕事多すぎ
◎細かすぎ
◎判りにくい…
※◎は相手・対象の状態を言おう
例)ああいやだ!チマチマ細かすぎ!
※スペイン語の具体例はこちら
(記事の中心部分に一気に飛びます)
もったいない
◉もの(人)は大切にしようよ
◉惜しいなあ
◎資源は有限
◎まだ使えるよ
※◎は同じく対象の描写
例)まだ使えるのに、惜しいなあ!
※スペイン語の具体例はこちら
(記事の中心部分に一気に飛びます)
そのほか
もう二文のルールはこれでわかったね。自分と相手を意識して文を作る。そうすればみんな日本語の独特の言い回しに潜む気持ちや思いがちゃんと現れるんだ。
いただきます=食品や作り手さんへの感謝&わーい美味しそう!
ごちそうさま=ああ幸せ&料理の天才だね!
同じように「いってきます」「いってらっしゃい」「ただいま」…どんどん二文にしてみよう。
・・・日本語って、易しい。そして優しいね。
二文作りの驚きの効果とは!?
さて、こうした独特の言い回しを瞬時に二文にする(まあ最初は1秒はムリかもしれないけど…)、というものをチョコチョコやっているとだね。
他の未習単語も瞬時に言い換える、というワザが身に付くんだな。実はこっちのほうが場面的には多いので、実用頻度はハンパない。
考えてみてよ。
会話中。あ、あれなんて言うんだっけ?
0点)えーっと…(言えないから諦めちゃえ)
1点)辞書を調べる=相手はボーッと待つ
2点)瞬時に知ってる言葉で言い換える=会話とぎれない
会話はリズムだからね。えーーと、うーーんと。ちょっと待って…そんなのは少ない方がいいに決まってる。
カンペキよりイキオイ。
まさにウチのブログの目指す語学の姿がコレ。
基本ウチはスペイン語だからラテンのノリでイケイケなところもモチロンあるけど…でも、どの言語でも実はそうじゃないかな?
まとめ
日本語独特の言い回しを言いたいときは
この三方法をその時々で使い分け、実践すれば…まちがいなくキミのコミュニケーション能力は格段にUPするだろう。さらに周りの外国人の日本語能力も上がるメリットつき!唯一のデメリットはキミの語彙力はあんまり増えないかも…これだけだ! |
いやあ、ここまで4347字。
付き合ってくれてありがとう(相手)
&
アタシもエラい。自分で誉めよう(自分)
ll
おつかれさま!
おしまい。gracias!
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