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直接目的語につく妖怪aはスペイン語理解の救世主!

ちょっと今回URACANぽくない文法のお話。独学のブログ主みゆまっしーが苦しんだ「へ?なんでそこに前置詞が?」??という謎の便秘の処方箋。

同じお悩みお持ちの方、是非すっきり開通・解決しましょ!

 

直接目的語につく妖怪aは救世主だった!

1. 直接目的語と間接目的語のおさらい

1)「〜を」は直接目的語。おまけなし。

Yo compro un lapiz.  

    S        V             Od

私は えんぴつを 買う

誰かが何かを~する。その【何を】の部分が直接目的語

  • アタシがチョコを食べる。(como el chocolate.)
  • キミがギターを弾く。(tocas la guitarra.)
  • 猫がしっぽを立てる(El gato levanta  su cola.)

そして動詞の後にダイレクトに置こう。aだconだdeだ…前置詞いらない!

スペイン語でもObjeto directoっていう。まさにダイレクトってことさ!

 

2)「〜に」は間接目的語。A がセットでついてくる。

Yo compro un lapiz a mi hermana.

 S        V            Od                 Oi

私は 妹に えんぴつを 買う

誰かが何かを誰か(何か)にする。その【誰かに】が間接目的語

  • 僕はカノジョに指輪をあげる。(doy un anillo a mi novia.)
  • 君はスプーンを口に運ぶ。(llevas la cuchara a tu boca.)
  • 彼は君に手紙を書く。(escribe una carta a ti.)

間接目的語はobjeto indirectoっていう。in-ってのは反対ってことだ。(例:formal  正式の・まじめな ⇔ informal 非公式の・くだけた)

ダイレクトじゃないってんだから、なんかつけなくっちゃな。そう、Aだ!

前置詞Aがついてんのは間接目的語ってことだ!

 

ああ、すっきり。解決!

 

・・・なはずなのだが。

 

ここに恐るべき敵が出現するのである!

 

2. 直接目的語にAがあるんですけど!?

Amarás a tu prójimo.  汝の隣人を愛せ。

はあ。有名な聖書のコトバですね。

「隣人を」はい。「〜を」です。だから直接目的語です。ダイレクトのはずです。なのに何故A? いるの?なんで?

ちなみに英語だと

You shall love your neighbor as you love yourself.

スペイン語みたいに余計なものははさみこまれていません。そーそー。スペイン語もこーするべきじゃん?Amo mi perro.(アタシは自分の犬を愛す。)でいいじゃん!!

でも。だめなの。

Yo amo a mi perro.なの。なんで!!??

・・・妖怪 A の出現である。

 

3. 特定の人・動物(固有名詞含む)につけるA

まずはこの二つの文を見てみよう。 

1)Quiero ver la película.(映画を見たい)

2)Quiero ver al director.(所長に会いたい)

 

1)は何の問題もないよね。「〜を」でダイレクト。Aいらない。

2)は「〜に」って訳してるけどverの直接目的語だよ。でも、日本語的にも「所長を見たいです」ってのはなんかヘンよね。

 

このように直接目的語が特定の人や動物の時は「〜を」でもAをつけるのだ。で、訳によっては「〜に」のほうがしっくりすることもあるってことだ。

  • Tengo que pasear al perro.(私は犬を散歩させなくてはいけない)
  • Conozco a su hermano.(私は彼の弟を知っている)
    ※Conozco  bien mi oficio.(自分の仕事を心得ている)
  • Esta noche llevo a los niños al cine.(今夜子どもたちを映画に連れて行く)
    ※Llevo la maleta a la oficina.(オフィスにスーツケースを持っていく)

 

どうかな?Aがつくときとつかないとき。これで納得できたかな!?

 

さてここからは、ま、さらっと眺めといて。

①人でも不特定のときはつかない。

  • Busco un médico.([ばくぜんと]医者を捜している。)

②人称代名詞・不定師・疑問詞・関係詞(uno,otro,todos,alguno,ninguno,el que,el cual,cualquera)が人間のとき、またalguien,nadie,quíen,él,ella,ustedにはaをつける。

  • No vi a nadie.(誰にも会わなかった。)

③tener,quererなどは a があるかないかで意味が変わる

  • Quiere un perro.   (彼女は犬をほしがっている)
  • Quiere a su perro.(彼女は自分の犬を愛している)

 

4. なんでこんな面倒くさいことになってるのか?

それはスペイン語の語順がイイカゲンだから。

主語がなかったり、かと思ったら動詞の後ろに現れたり、勝手気ままなスペイン語。これを少しでもわかりやすくしてくれてるのが実はこのAなのだ。

 

次の文を見てほしい。

①Se vio el hombre en el espejo.

②Se vio al hombre en el espejo.

 

① 男は鏡に自分の姿を写して見た。

  →el hombreが主語。動詞は再帰動詞verse

② 鏡の中に男の姿が見えた。

  →el hombreは直接目的語。seは非人称のseと言われているやつ

 

Aがあるかないかでこんなに意味が違うのよ!

そもそも①でEl hombre se vio en el espejo.って言ってくれりゃあ問題はないのよ。英語はこのヘン真面目で必ず主語が前よね。I love you.間違ってもLove I…なんて言わない。

 

でもスペイン語はそこ、ルーズだから。主語が動詞の後ろ、フツー直接目的語がいるところによくチョコンといたりするの。

でAma ella.じゃ彼女を愛してんのか?彼女が愛してんのか?一瞬悩むわけ。

でもAma a ella.だと、あ、誰かが「彼女を」愛してんだな、とわかるわけよ!

 

5. 直接目的語につく妖怪aはスペイン語理解の救世主!

まとめ;

普通は間接目的語について直接目的語にはつかない前置詞A。しかし直接目的語が特定の人や動物などのときは主語との区別のためAをつける。

 

以上。今日は自分が少しスペイン語がわかったあたりで悩んだ直接目的語のAについてまとめてみたよ。キミのスペイン語学習の少しでもお役に立てたらうれしいな!

 

おしまい!

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◉今日の参考文献◉

・「中級スペイン文法 」白水社

・ 電子辞書:SHARP/e dicutionary/PW-A3500