会話におけるあいづち。それは餅つきにおける返し手のようなもの。
えーと、返し手ってのはあのデカいトンカチ(杵きね)でペッタンと一回やったら、モチをくるっと返す、この女の人だね。
もちろんペッタンペッタンするほう(=話し手)が主役なんだけど、これだけじゃモチ(=会話)はどこかイビツな仕上がり。ここに絶妙なタイミングで『返し手』があって初めて心地よいリズムが生まれ、双方が活気づき、途中「疲れた!」「アタシもペッタンしたい!」って役割交代したりして…で、結果よいモチが仕上がって、双方ついでに周りのものもそのお相伴に預かって、ああ、みんな幸せ、大団円!ってのが餅つき、そして会話の醍醐味なわけだ。
さて。そこで今回のURACANでは、スペイン語でのイロイロなあいづちの言い方を紹介しよう。
スペイン語の肯定的なあいづち10語
- 1. 「へーほー ふーん」軽いあいづち
- 2.「やっぱり、なるほど」予想通りの答えのとき
- 3.「そうだね、もちろん」相手の言葉に同意する
- 4.「その通り!」フラメンコのかけ声jaleoで定番のことば
- 5. 「わあ、いいなあ!」言われた方も気持ちよい
- おわりに
1. 「へーほー ふーん」軽いあいづち
1) ah!
2) oh!
この二つはどっちかっていうと、
Ah,no sabía eso!(ああ、それは知らなかった!)
Oh, qué alegría!(ああ、ウレシイ!)※女性がよく使う
といった驚きや喜びで使う方が多いが、一番短いあいづちとしても使える。
例)De dónde es usted? -De Japón. -Ah! de Japón.
(どこのご出身で?ー日本です。ーふうん、日本ですか。)
3) ajá (アハ ※ハにアクセント)
これもあいづちでよく聞くね。アタシはヒトの話の合間合間に絶えずこれを挟み込んで聞いているかも。肯定して聞いている感じのある便利語だ。
例)Ajá!Ya entiendo. ああなるほど!わかりました。
2.「やっぱり、なるほど」予想通りの答えのとき
4) ah,sí!
ちなみにこれをah sí?と尻上がりに発音すると「そーなの?ホント?」というあいづちになる。síだけでも同じ。ふつーなら「ふんふん」尻上がりsiiii?だと「えぇ〜?」
これは日本語も一緒だね。平たく言えば「はい、はい」肯定だけど、尻上がりに「はい↗」だとカンペキ疑ってるでしょ。
ほかに「思っていたとおりだ」という意味のya me lo imaginabaやya me lo suponíaなんてのもあるよ。ちょっと長いかな?
3.「そうだね、もちろん」相手の言葉に同意する
5) claro
6) desde luego
7) por supuesto
8) eso sí
・Acompáname.-(Pues)Claro!(一緒に来て!ーいいとも!)
・Tu vas? -Desde luego(que sí).(行くかい?ーもちろん。)
・Vendras a la fiesta?-Por supuesto!(パーティ来るかい?ーもちろん!)
・Puedo pasar este examen?-Eso sí!(試験とおるかな?ーもちろん)
あれ?あいづちっていうよりなんか皆肯定の返事、って感じになっちゃった? でもただ「si」と返すよりずっといいよ。ちなみに5)〜7)は後ろにque noを、8)はeso no にすると「もちろんやだね」「とんでもない!」などの否定のあいづちになるよ。
4.「その通り!」フラメンコのかけ声jaleoで定番のことば
9) eso es!
フラメンコではギターさんがカッコいいファルセータ(ギター見せ場のフレーズ)を弾いたり、踊り手さんがうっとりなサパテアド(足の踏みならし)をしたとき(モチロン歌い手さんもね!)、このフレーズが飛び交うよ。これもやはり歌・ギター・踊りへの受け手のあいづち。間髪入れずに絶妙なタイミングで、流れを止めずに、より相手をノせていく。相づちの呼吸の大切さを一番感じる瞬間だ。
(ちょっと話が飛ぶが、歌舞伎の「音羽屋!」なんていうのもまったく同じだね。こっちも歌・楽器・役者だし。どっちも好きなんでいつかこの2つをテーマに記事を書こうっと。そういう雑記はもうひとつのブログに書いてるよ。よかったら遊びに来てね)
で、一般的には3の「そうだね、もちろん」とほぼ同じ感じで使われる。他にはEso mismo.も同じだ。
5. 「わあ、いいなあ!」言われた方も気持ちよい
10) Qué bien!
Ay qué bien!も同じ(個人的にはコッチの方が語呂がいいと思う)。れっきとした文だけど、「すげー」「いいねえー」脊髄反射で出るあいづち語でもある。
おわりに
さて。今日は肯定的な感じで「ふんふん」「ほほう」「そうだね」「いいじゃん」…と聞くときに使えるあいづちを10個紹介した。
これらを相手の話をさまたげず、絶妙なタイミングではさみこみ、相手も自分ももっと会話を楽しめたら最高だ。
そのタイミングは周りのネイティブさんたちが会話しているのをひたすら聞いて学習だ。何を話しているかなんてわからなくていい。あいづちの場所、語調(強さ、トーン)、そのときの顔や全身の動き…、全体をよーく観察。そのリズム・空気感に徐々に慣れていこうね。
直接聞く機会がなかなかないキミ。日本語字幕付スペイン語映画なんていかが?
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さて、いつでも「はいはい」素直に聞いていられないもんね。合わせて否定・疑問系のあいづちも良かったらチェックしてね!
おしまい
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参考文献:
・「中級スペイン文法 」白水社
・「スペイン語表現ハンドブック」高橋覺二著 白水社